昔のホラー漫画は非常に高額!だけど、それを出版していたのはどこ?
皆さんはホラー漫画の出版社と聞かれたら一体どこを思い浮かべるでしょうか?
講談社の「なかよし」や「月刊少女フレンド」、集英社の「マーガレット」、
小学館の「ちゃお」などの印象が強い人は、もしかしたら子供の時に耳馴染みのある
雑誌を手に取ったり、はたまた興味本位で買ってみた漫画雑誌が思いのほか
怖かったりして印象に残っている方かもしれません。
角川書店の「ザ・ホラー」や「ホラー文庫」、秋田書店の「ホラー・コミックス」や「サスペリア」、
ぶんか社の「ホラーM」、朝日ソノラマの「ハロウィン」などが思い浮かぶ人は、
ホラー漫画が好きで積極的に手に取ってきた人と言えるでしょう。
そしてひばり書房や立風書房、曙出版の名前がぱっと出てくる人は
恐らく生粋のホラーマンガ好きで、もしかしたらつばめ出版や東京漫画出版社、
東京トップ社などの名前も既にご存知のコレクター様かもしれません。
日本には戦後貸本時代から1990年代初頭にかけてホラー漫画ブームがあり、
全盛期には非常に多くのホラー漫画を売りにした出版社や専門誌などが存在しました。
しかしその出版社の多くは解散、もしくは専門誌の取り扱いをやめてしまっているため、
1950年代~1990年代のホラー漫画作品群は現在とても需要が高くなっています。
本日はそんなホラー漫画の中でも
当店で特に高額買取となった買取事例をご紹介致します。
山梨県よりひばり書房や立風書房など希少コミックス5点を買取致しました
今回ご紹介させて頂きますのは山梨県のお客様よりご依頼頂きました
ひばり書房や立風書房など希少コミックス5点の買取のご依頼です。
お客様のお話によりますと「父が昔から集めていた漫画の単行本類があり
引っ越しを期に一部整理を検討している」との事でした。
早速当店スタッフがご自宅にお伺いし、本棚を拝見させて頂きますと
1970年代~1990年代の古いコミックスが所狭しと並べられており、
中には「銀河鉄道999」や「愛がゆく」「YAWARA」「あした天気になあれ」などの
名作もしっかりと揃っており、お父様のコレクション性の高さを垣間見る事が出来ました。
買取希望の品について詳しくお伺い致しますと、本棚の中から適当な
シリーズ作品を6シリーズほどと、さらに「私は得意ではないのですが…」とおっしゃって
お見せ頂きましたのは、お父様秘蔵のホラーコミックスのコレクションでした。
まさか1980年代のホラーコミックスと邂逅できると思っていなかったので、
思わずびっくりしていまいましたが、この中から何点か希望金額に沿うように
買取をお願いしたいとのことでしたので、改めてご相談させて頂く流れとなりました。
お父様が所有されていたホラーコミックスのコレクションはどれも素晴らしく、
希少性の高いものも多く見受けられたのですが、ご相談の結果ひばり書房や
立風書房のコミックスを一式買い取らせて頂く事となりました。
今回買取となりましたホラーコミックスの中でも特に評価が高かったのは下記のものです。
・ひばり書房「首を切られたいじめっ子」川島のりかず 初版
・ひばり書房「母さんが抱いた生首」川島のりかず 初版
・立風書房「死人の足音が近づく」ムッシュー・田中 レモンコミックス 初版
・立風書房「悪魔の招待状 1~3」いばら美喜 レモンコミックス
・立風書房「恐怖!呪いの鍾乳洞」岬マヤ レモンコミックス
ひばり書房は川島のりかず先生の後期作品の初版の物で、
立風書房はムシュー・田中先生やいばら美喜先生・岬マヤ先生と
非常に立風書房ならではの先生が揃ったコレクターとしては堪らないものとなっておりました。
今回1980年代の人気漫画シリーズを通巻で6シリーズご依頼頂いた事や、
人気出版社のホラーコミックスシリーズをご依頼頂いた事を踏まえまして
通常の査定額にお客様のコレクション性を大きく上乗せさせて頂きました。
査定終了後、金額をお伝え致しますとご快諾頂け
「父は少し嫌がったのですがこれだけ大きな金額となったのであれば納得してくれると
思います。残りの本も処分する際にはぜひお願い致します。」と嬉しいお言葉を頂く事が出来ました。
「ひばり書房」や「立風書房」のホラー漫画はなぜ人気なのか?
ホラー漫画は大きく「貸本時代」「コミックス(単行本)時代」「雑誌時代」に
区分する事ができ、1970年代~1980年代の「コミックス(単行本)時代」以降、
長く続く事となるホラー漫画ブームの土台を作り上げたのは「ひばり書房」と
「立風書房」と言っても過言ではないでしょう。
それでは今回のご依頼品にもございました「ひばり書房」と「立風書房」について
もう少し詳しくご紹介致します。
貸本時代から単行本時代への立役者「ひばり書房」
まず「ひばり書房」は1947年に創業した東京都の出版社で、1970年代以前の
貸本時代にも多くの怪奇ホラーシリーズを手掛けており、貸本産業が衰退すると
描き下ろしの単行本(コミックス)を出版するようになり、大きくヒットする事はないものの
着実に小中学生のファン層を増やしていき、この時に獲得した女性読者層は
後の業界の少女漫画雑誌のホラーブームに大きく貢献したと言われています。
ひばり書房の漫画には非常に多くのシリーズが存在し、
「ひばりコミックス」「ひばりヒットコミックス」をはじめ「ファミリーブックス」「ヤング・レジャー」
「Hブックス」「ひばりスーパーコミックス」などがありますが、明確な区分は今も判明しておらず
大きな謎となっているほか、ファンの間では単行本を取り囲む黒・白・カラー色によって
作品を区分する見方があり、黒枠の作品がホラー漫画ファンからは特に人気が高くなっております。
ひばり書房を代表する作家には五島慎太郎先生・古賀新一先生・小島剛夕先生・
さがみゆき先生・浜慎二先生・杉戸光史先生・まちだ昌之先生・宮本ひかる先生・
さくらまいこ先生・なかのゆみ先生・日野日出志先生・三智伸太郎先生・
森由岐子先生・川島のりかず先生などホラー漫画業界のレジェンドたる先生方がおり、
膨大な量の単行本を世に送り出しましたが、ひばり書房は1988年に最後の刊行物である
「中学生殺人事件」を発売した後に以降出版を行わなくなりました。
レモンコミックスで有名「立風書房」
立風書房は1966年に学研の子会社として創業されたため、
ひばり書房のように貸本時代は経験しておらず、創業当初はサブカルチャーを
中心とした関連書籍を出版していたと言われています。
そんな中、少女漫画レーベルとして「レモンコミックス」が立ち上がりますが
ホラー漫画の売れ行きが好調だったため、少女漫画でありながらホラー路線へと
大きくかじ取りをしたそうです。
1975年とひばり書房よりもやや遅いホラー漫画ジャンルへの参入だった事から
ひばり書房と同じ作家陣の名前も多かったのですが、資金力の多さも相まって
年代を重ねるにつれ、いけうち誠一先生・いばら美喜先生・広永マキ先生・
ムッシュー田中先生・好美のぼる先生など立風書房ならではの作家陣や、
骨子がしっかりとしたクオリティの高い物語を世に送り出し着実にファンを増やしました。
高額買取となるホラー漫画の出版社などについて
さて「ひばり書房」と「立風書房」が単行本時代のホラー漫画業界を支えた二大柱で
以降のホラー漫画ブームの下地を作ったという事は既にお話致しましたが、
ここで改めて高額買取となりやすいホラー漫画について触れさせて頂きます。
当店が取り扱うコレクション品であれば高額査定となるものは「市場需要」と「希少性」の
バランスで成り立っており、「需要があるけれども市場に数が少ない」ものほど
高額となる傾向にございます。
ホラー漫画につきましてはホラー漫画黎明期に当たる戦後の「貸本時代」の漫画は
非常に需要が高いのですが、いかんせん数が少なく希少性が高すぎるため
よほどのコレクター様でないとお持ちでないケースが多いかと思われます。
しかし「単行本時代」まで下って来ますと、1970年代となり
その後古本屋で安売りされていたという経緯もあるため、その時にコレクションした方や
当時から保管しているという方がいらっしゃるかもしれません。
そしてこの時代はひばり書房や立風書房以外にも
実は2000年頃までにかけて多くの出版社がホラーコミックスを出版しており、
・講談社「KCなかよし」「KCフレンド」「コミック・ミステリー」「コミックロマンミステリー」
・朝日ソノラマ「ハロウィン少女コミック館」「ほんとにあった怖い話」
・秋田書店「ホラー・コミックス」
・集英社「マーガレット・コミックス」
・リイド社「恐怖の館コミックシリーズ」
・小学館「ちゃおホラーフラワーコミックス」
・角川書店「ザ・ホラー・コミックス」「角川ホラー文庫」
・大陸書房「ホラーハウス・コミックス」「大陸謎シリーズ」
・曙出版「アケボノ・コミックス」
・久保書店「WORLD・コミックス」
などはその一部であり、年代や出版社・作家・レーベルによっては高額が期待できるものがございます。
しかし後年、2000年代以降において大きく再評価され
一時期は古本屋に非常に安価な値段で並べられていたのにも関わらず、
現在では大きく需要を伸ばして入手困難とまで言われているのは、今回のご依頼品にもございました、
ひばり書房を代表する作家である「川島のりかず」先生でしょう。
伝説となったホラー漫画家川島のりかず先生とは?
川島のりかず先生は1983年から1988年の約5年間ひばり書房にて
ホラー漫画を描き続けた先生で、2か月に1冊ほどのハイペースで単行本を出し続け
ひばり書房の在籍中に29冊もの単行本が出版されましたが、
その後ぱったりと消息を絶ち、現在でもその行方を知るものはいないという
非常にミステリアスな先生です。
1983年より前のデビュー以前についても詳しい事は分かっておらず、
1967年に漫画雑誌の新人読み切りに応募していたとか、
1974年にふくしま政美先生のアシスタントとして参加していたとか、
1980年頃まではアニメーションの制作に関わっていたとか、
ひばり書房のデビュー前は劇画調の読み切りを書いていたとか
様々な噂が流れておりますが、とにかく本人の露出が少なく情報も乏しいため
詳細を知ることは出来ません。
しかし初期作である「墓場から戻った少女」や「たたりが恐怖の学校に!」を
はじめとする先生の作品群はファンから非常に高く評価されており、
特に「フランケンシュタインの男」はこの作品以前と以降で作風が変わったと
言われるターニングポイントであり、のりかず先生の代表作のひとつとなっています。
ひばり書房は1988年に新シリーズである「ショッキングコミックス」の第一弾である
「中学生殺人事件」を最後に以降、出版業からは退きますがこの「中学生殺人事件」の
作者こそ川島のりかず先生であり、ひばり書房のコミックス時代を象徴する作家として
ファンの間では親しまれています。
ひばり書房の高額買取となるホラー漫画・貸本をご紹介
・ひばり書房 オール怪談シリーズ
・ひばり書房 オール怪談別冊シリーズ
・ひばり書房「少女がどろどろ流れる」五島慎太郎
・ひばり書房「青い霊のたたり」矢乃藤かちすけ
・ひばり書房「悪魔の血が踊る」矢乃藤かちすけ
・ひばり書房「恐怖のまだら少女」矢乃藤かちすけ
・ひばり書房「猫は誰も殺さない」さがみゆき
・ひばり書房「まだらの卵」日野日出志
・ひばり書房「毒蛾少女」まちだ昌之
・ひばり書房「鬼姫おろち」影森奇蝶
・ひばり書房「たたり」まちだ昌之
・ひばり書房「魔獣の棲む森」あしべゆうほ
・ひばり書房「魔血子」清水修
川島のりかず先生の高額買取となるホラー漫画をご紹介
・ひばり書房「中学生殺人事件」川島のりかず
・ひばり書房「首を切られたいじめっ子」川島のりかず
・ひばり書房「フランケンシュタインの男」川島のりかず
・ひばり書房「母さんが抱いた生首」川島のりかず
・ひばり書房「けもの喰いの少女」川島のりかず
・ひばり書房「死人をあやつる魔少女」川島のりかず
・ひばり書房「生首が帰って来た」川島のりかず
・ひばり書房「私は生血が欲しい」川島のりかず
・ひばり書房「化物家族」川島のりかず
・ひばり書房「私の影は殺人鬼」川島のりかず
ひばり書房や川島のりかず先生をはじめとするホラー漫画の買取は当店へ
当店ではひばり書房や立風書房をはじめとする、
講談社・朝日ソノラマ社・秋田書店・集英社・リイド社・小学館・角川書店・
大陸書房・曙出版・久保書店など1970年代~2000年代の
ホラー漫画コミックス(単行本)や、
ひばり書房・東京漫画出版社・東京トップ社・つばめ出版・東考社・若木書房・
太平洋文庫・曙出版(文華書房)・宏文堂・セントラル文庫・日の丸文庫・
金竜出版社など1950年代~1960年代の貸本、
さらにホラー漫画雑誌などにつきましても全国から高額で買取致します。
また、川島のりかず先生をはじめとする
五島慎太郎先生・古賀新一先生・小島剛夕先生・さがみゆき先生・
浜慎二先生・杉戸光史先生・まちだ昌之先生・宮本ひかる先生・さくらまいこ先生・
なかのゆみ先生・日野日出志先生・三智伸太郎先生・森由岐子先生・いけうち誠一先生・
いばら美喜先生・広永マキ先生・ムッシュー田中先生・好美のぼる先生などの人気作家陣の
単行本(コミックス)や掲載雑誌につきましても積極的に買取しており、
まとまった数をご依頼頂いたり同一の作家で書籍がまとまっておりますと
お客様のコレクション性を評価して査定額に上乗せさせて頂く事がございます。
長野県近郊は出張買取を行っているほか、
遠方のお客様やスケジュールの都合を付けるのが難しいお客様につきましては
北海道から沖縄まで買取実績のある、着払いによる宅配買取をおすすめしております。
当店から発送いたします梱包キットに商品を詰めまして、着払いにてお送り頂くだけ!
ひばり書房や川島のりかず先生をはじめとするホラー漫画の買取は当店へ!